

狼を見に行く
晩秋の一日、運慶は見損ねたが、オオカミの石像を見に行くことにした。 何故オオカミなのか?を説明するのはメンドウなのだが、立体造形も仕事としておこなっている身としては、ちょっとでも気になる造形物は自分の目で「見ておきたい」のである。城峯神社の狛犬がオオカミであって、なかなかの...


10月の終わりに
先週の月曜日に左足を手術した。 「たいした手術ではない」と、医者に言われて安心し、全身麻酔し、手術を受けたのだが、実際には手術後に痛い目にあった。 毎日足が痛いのです。じんわりと、しかし、明らかに痛いのです。おかげで、この1週間あまり、寝たり起きたりの老人的日々。。...


美術屋の独り言
秋になりました。 今年の前半の仕事を振り返りながら、考えた事をつらつらと書いてみます。 考えたら 今年は、「嬉しいご依頼」が多い年です。 順番は忘れましたが、①造園計画の策定、②抽象絵画の作成、③透明な彫刻の制作、と、その他にもありましたが、特にここに揚げたこの3つは、ボク...


今週のアトリエ雑記(窓)
ここのところ、毎週埼玉県秩父郡にあるアトリエ(作業場)に通っているのだが、いつものように守秘義務があるため、つくっているものは公開できない。 そこで、今回は窓の写真をいくつかご覧いただこうか、と思う。まずは、南側の窓。 大きな桐の木が生え始めたのは、ボクがここを借りた頃だっ...


アクリル彫刻は、彫刻なのか?
今年はアクリルの塊に向かう日が多い。うまく進んでいるとは言えず、止まったり進んだりなのだが、「重さ」の点では、これまでで一番重い塊に立ち向かっているかもしれない。仕上がり予想重量が1トンのもある。重量物なので、一人では危険な作業でもあり、若い友人や仲間の応援を受けつつやって...


土蔵の修復工事について
寒い冬の日々に土蔵の修復工事を二つハシゴしました。いずれも関東近県ですが、詳細は伏せます。 一つ目は昨年末に仕上がった漆喰仕上げの小さめの土蔵で、いろいろ紆余曲折の末、数年越しでようやく仕上がったものです。(写真参照、ですが、あまり詳細には写真を公表しないことにします)...


新年にあたりまして
2017年新春をむかえ、ちょっとだけ昔話をいたします。 20代の中頃、札幌で新築ホテルの梁に抽象の絵を描くという仕事をしたことがあります。銀座の鎌倉画廊さんのご依頼だったと記憶しています。 その仕事のために市内に宿を決めてお世話になったのですが、その宿のおかみさんに「絵を描...
明治大正昭和をどう見るか?
現代史は見えにくい。近代史もなかなか見えにくい。特にボクらが住んでいる日本という国がかつて戦争へどのように進んでいったのか?という道筋を読み解こうとすると、あっちこっちからの言説が多くあって、実際はどうであったのか?なかなかイメージしづらい。でも、そこが判らないと今という時...


吉田春治の漆喰彫刻
2011年3月11日の大震災によって、花泉にある吉田春治の「唐獅子土蔵」もかなり傷付いた。その2年後にボクは以前のホームページに以下のような文章を掲載した。 岩手県花泉には、「唐獅子土蔵」と呼ばれる蔵がいくつか存在する。 明治時代に左官職人・吉田春治が作った土蔵だ。...