

新しい土蔵の扉
ボクは少年の頃から日本美術が大好きで、ジジィになった今は、何と言っても土蔵が好きです。土蔵が、ある意味日本美術の真骨頂を体現しているように思えるからです。 この度は土蔵の「戸前」と2階の兜と扉をまるっきりゼロから作る仕事を与えられ、やる気満々の真っ最中なのですが、ちょっと仕事が「乾燥待ち」で途切れたので、ここまでの作業を報告してみようと思います。(自分の覚え書きですね。) 担当する左官の親方は小沼充氏です。では、木村の役目は?と、皆さんに聞かれます。ボクの役割は、おおもとのデザインと大工さん・石屋さんや工務店仕事の職人さんへの図面指示と、現場監督ってぇところでしょうか? 楽ちんやな?と、思いきや、「土蔵の戸前の新設」は、何十年もどなたも体験していないような仕事なのでした。戸前や扉の「修復」は、文化財をはじめとして、アチコチでおこなわれている事でしょうが、ゼロから作るのは、また違います。 まず、肘と呼ばれるヒンジや鍵や引き手の「金物」が問題です。考えなければならないことが多かったのです。 昔のものを流用すれば?という考えをまずは検討しましたが、京都