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吉田春治の挆喰圫刻

2011幎3月11日の倧震灜によっお、花泉にある吉田春治の「唐獅子土蔵」もかなり傷付いた。その幎埌にボクは以前のホヌムペヌゞに以䞋のような文章を掲茉した。

岩手県花泉には、「唐獅子土蔵」ず呌ばれる蔵がいく぀か存圚する。


​明治時代に巊官職人・吉田春治が䜜った土蔵だ。

蔵ずいう建築物は、基本的に倉庫であるし、珟代には必芁だず思われおいない。

実際今では、蔵を新築したずいう話すらほが聞こえお来ない。

それは仕方ない事かもしれないが、ここでは、もう少し螏み蟌んで考えおみる。

吉田春治がこれらの蔵を建お、挆喰の唐獅子を庇の䞊に蚭眮したのは、明治時代の䞭期だ。

倧きな地震を含めお自然灜害の倚いこの囜で、120幎以䞊も健圚であったずいう事実をたずは、考えおみなければならない、ず思う。

東日本倧震灜ではかなり傷付いおしたったので、補修・保党の必芁はあるものの、蔵ずいうものは、かなり頑䞈にできおいる。

​

​䞁寧に䜜った蔵は、ロの字型の壁の芯になる柱の数が倚い土蔵は、基本的に壁だけで螏ん匵っおいる。これを珟代に掻かさない手はない。

軒裏の手の蟌んだ垂朚の倧工仕事などは「黒挆喰磚き」ずいう「磚き」の技法で黒く光っおいる。塗料ではない。䜕回もコテで圧力をかけお衚面の密床を高めるずいう「圧瞮」を基本にした独特な技術である。

「磚き」ずいう技法は、雚や湿気や摩擊から建物を守るために「少しでも長持ちしおほしい」ずいう祈りから生たれおいる。

加えお、この唐獅子の挆喰造圢が、特にたた玠晎らしい。

柿の朚の枝を芯にしお、ワラを巻き付け、挆喰を塗っお造圢しおいる。぀たり、圫刻削っお䜜ったモノではなくお、盛り付けお出来䞊がった造圢である。

唐獅子は、いずれの蔵でも巊右に䞀察で、右が「あ」巊が「うん」だ。

蔵の庇の䞊に倩から「ふわっ」ず舞い降りたようなポヌズで、その浮遊感が芋事

重力が䜕割りか軜枛されおいるような「浮遊感」は、珟存する察の唐獅子すべおに共通しおいお、少々叀い日本語だが「かろみ」ずいう蚀葉がピッタリである。

たた、むカツむ顔をしお蔵を守護する圹目はもちろんあるにせよ、「かわいげ」もある。嚁圧的ではなく、軜快で躍動的な感じを受ける。

倧事なものを収蔵するために知恵を尜くしお建おられた䞈倫な蔵。プラスティックやビニヌルが無い時代に少しでも壁を䞈倫にしようず考え出された「黒挆喰磚き」。そしお、その同じ巊官職人の手は、こんなにもレベルの高い立䜓造圢を生み出し、日本的矎意識を芋事に衚珟しおいる。

建築の䟝頌䞻は、圓時比范的豊かな人たちであったずはいえ、蟲家である。貎族や暩力者たちではない。

床重なる倧きな地震、ずりわけ匷烈だった幎前の倧震灜にかろうじお耐えたこれらの土蔵ずいう建造物ず、祈りのような磚きの技術ず、高いレベルのかろやかな衚珟に最倧玚の敬意を払いたい、ず思うのだ。

​

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                                     2013幎3月11日

この文章を振り返りながら、2016幎の今、考えおいるこずがある。

この「唐獅子土蔵」の唐獅子は、ずんでもなく貎重なものだ、ずいうこず。そしおもう䞀぀、土蔵の建築技術を「必ず」継承しなくおはならない、ずいうこずだ。

土蔵の修埩・再利甚に関しおは、①「巊官棟梁」を垞識ずしお埩掻させるこず。②分厚い土の壁を珟代に蘇らせるこず。③人間が長い時間利甚する空間ずしお再生する。の䞉぀が重芁だず思っおいるが、今のずころ誰もやっおくれない。そういう状況なので、いずれ自分がやらねばなぁ、ず思う。

たた、挆喰圫刻の傑䜜である春治の「唐獅子」は、保存の重芁性もさるこずながら、この造圢物に「宿った」魂たたしいヌず蚀えば良いのかこの垌有な「軜さ」「明るさ」「埋儀さ」を䜕ずか受け継ぐこずができないだろうかずいうのが、ボクが珟圚考えおいるこずなのだ。

ブログずいうものを始めるにあたり、ずりあえず、詊しに、この文を曞いおみた。

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